Date: 10月 2nd, 2018
Cate: 複雑な幼稚性
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「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その60)

別項で「オーディオ評論家は読者の代表なのか」を書いている。
その18)では、編集者は、必要な時は、強く代弁者であるべきだ、と思う、とも書いた。

では、編集者は読者の代表なのか。
実をいうと、編集者だったころに、こんなことは考えたことはほとんどなかった。
まったくなかった、といってもいいかもしれない。

こんなことを考えるようになったのは、ステレオサウンドを離れて、
さらに「バクマン。」というマンガを読んでからだった。

「バクマン。」は2008年から少年ジャンプに連載が始まった。
NHKでアニメになっているし、映画にもなっているから、
「バクマン。」というタイトルだけはみた記憶があるという人もいるだろう。

二人の高校生が、一人は原作、一人は作画という協同作業をすることで、マンガ家となっていく。
少年ジャンプが、物語の舞台としても登場してくる。
マンガ家と編集者とのやりとりも、そうとうに描かれている。

少年ジャンプは、読者ハガキに人気投票欄がある。
その集計が連載を続けるか打ちきりになるかを決定する──、
そんなふうにいわれていた、その内情についても描かれている。

面白いだけでなく、興味深いマンガでもある。
その「バクマン。」を読んでいて、編集者は読者の代表なのか、ということを考えていた。

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