オーディオ評論家は読者の代表なのか(その18)
編集者は、つねに読者の代弁者であるべき──、とは考えていない。
ただ必要な時は、強く代弁者であるべきだ、と思う。
そして書き手に対して、代弁者として伝えることがある、と考えている。
このことは反省を含めて書いている。
オーディオ雑誌の編集は、オーディオ好きの者にとっては、
これ以上ない職場といえよう。
けれど、そのことが錯覚を生み出していないだろうか。
本人たちは熱っぽくやっている、と思っている。
そのことは否定しない。
けれど、その熱っぽさが、誌面から伝わる熱量へと変換されていなければ、
それは編集者の、というより、オーディオ好きの自己満足でしかない。
読み手は、雑誌の作り手の事情なんて知らないし、関係ない。
ただただ誌面からの熱量こそが、雑誌をおもしろく感じさせるものであり、
読み手のオーディオを刺戟していくはずだ。