Date: 10月 1st, 2018
Cate: 進歩・進化
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メーカーとしての旬(その4)

オーディオに興味をもって40年以上。
いろんなオーディオメーカーの旬があった、と感じている。

私がオーディオに興味をもったのは1976年の秋以降。
それ以前のことももちろん知っていて、旬といえそうなところがわからないわけではないが、
やはり自分で感じてきた旬に絞って書いていきたい。

その1)でヤマハの旬について少しだけ触れている。
そのヤマハから少し遅れて旬を迎えたのは、サンスイだろう。

プリメインアンプのAU607、AU707、
それに続く上級機としてダイヤモンド差動回路を採用したAU-D907、
その技術を607と707にも採用して、AU-D607、AU-D707を出してきた。
さらにAU-D907の細部から磁気歪を取り除くために、
銅メッキを細部にまで施したAU-D907 Limited、
このころはまさにサンスイの旬といえる。

しかもサンスイ(山水電気)は、JBLの輸入元でもあった。
4343を筆頭に4300シリーズのスタジオモニターはヒットしていたし、
それ以外のJBLも売れていた。

サンスイの旬はそう長くは続かなかった(少なくとも私はそう感じている)。
プリメインアンプのD607、D707、D907は、
その後も改良が加えられて、いわゆるロングセラーモデルといわれるようになったが、
型番末尾にFがついてからの、このシリーズは、変ってしまった、と感じた。

いっそのこと新しい型番と新しいパネルフェイスを与えていれば、
見方も変ったのに、なぜか頑なに変えようとはしなかった。

それでも中身は、そして音は変っていっていた。
JBLも山水電気からハーマンインターナショナルへと移っていった。

山水電気はCIへと走る。
ルイジ・コラーニによるデザインのロゴマーク。
これに支払った、といわれる金額について具体的な数字をきいている。
驚く金額だった。

それだけの予算を、開発にまわしていれば……、
と山水電気に勤めていた人は思っていたのではないだろうか。
部外者の私だって、そう思った。

コントロールアンプのC2301、パワーアンプのB2301など、
力作をサンスイは出してきた。
それでも、二度と旬を取り戻すことはできなかった。

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