オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その6)
昔は(といっても30年くらい前か)、オーディオクラブというものが、
全国にいくつもあった。
ステレオサウンドにも、52号のスーパーマニアに、郡山のワイドレンジクラブが登場している。
64号からの連載「素晴らしき仲間たち」は、そういうオーディオクラブを取材している。
私の周りにはそういうオーディオクラブはなかったので想像で書くのだが、
オーディオ店の常連の人たちが集まってのオーディオクラブなのだろう。
一つのオーディオ店に一つのオーディオクラブというわけでもなかったかもしれない。
そのオーディオ店でも、JBLのスピーカーを好む人たちもいれば、
イギリスのBBCモニター系列を好む人たちもいただろうから、
いくつかのオーディオクラブができあがっても不思議ではない。
1975年のダイヤトーンの広告には、
ダイヤトーンの故郷 郡山へご招待!
ダイヤトーン 1日ブレーン募集、というのをやっていた。
応募方法に、所属しているオーディオクラブ名、とあり、
各オーディオクラブから二名の5クラブで計十名を、十回にわたって百名を招待する企画だった。
いまオーディオクラブというのはあるのだろうか。
この時代からずっと続いているオーディオクラブはあるのだろうか。
別項でも書いているように、ステレオサウンドに登場したオーディオクラブのいくつかは、
1980年代に解散してしまっている。
新しいオーディオクラブが生れなければ、数は減っていくだけだ。
いまはSNSがある。
facebookには、グループ機能というのがあり、同好の士が集まれる。
オーディオ関係のグループは、いくつかあるんだろうか。
オーディオとかオーディオマニアという名のグループもあれば、
アナログディスクに絞ったグループ、真空管、JBLの古いモデル、
ウェスターン・エレクトリック……、とにかく細分化されたグループも増えてきている。
私は、audio sharingというグループをやっているし、
あとは海外のDIYのグループには参加しているが、
それ以外のオーディオ関係のグループには参加していない。
かなりの人が参加しているオーディオグループはある。
けれど、それが以前のオーディオグループにあたる集まりかといえば、
そうではないはずだ。