メリディアン ULTRA DACを聴いた(その8)
グラシェラ・スサーナのベスト盤は、他の曲も聴きたかったが、
時間は限られているし、MQAでの音も早く聴いてみたい気持は高まってくる。
ここでMQAディスクを聴くことにするわけだが、
だからといってなにかシステムの一部を変更する必要があったわけではない。
そのままMQAディスクを、メリディアンのCDプレーヤー508にセットし、PLAYボタンを押すだけである。
トランスポートに関しては、従来のモノでいい。
つまりSPDIF出力を持っていればいい。
SACDのように対応トランスポートが必要になるわけではない。
必要なのはMQA対応のD/Aコンバーターであり、今回はそれがULTRA DACである。
このことは文字情報で知ってはいた。
それでもほんとうにそれだけでいいのか、とも思っていた。
MQAディスクとMQA対応D/Aコンバーターがあれば、MQAの再生はできる──、
というのは、実際に体験してみるまでは、なかなか信じにくいかもしれない。
頭でわかっていても半信半疑のまま、508のトレイに、
グラシェラ・スサーナの「アドロ・サバの女王」のMQAディスクをセットする。
再生すれば、ULTRA DACのディスプレイに、MQAと表示される。
確かに、拍子抜けするほどあっけなくMQAディスクの再生である。
MQAのメリットのひとつは、トランスポートの選択肢が増える、というか、
圧倒的に多い、ということが挙げられる。
SPDIF出力をもっているCDプレーヤー、CDトランスポートであればいい。
だからこそ508という、1990年代のCDプレーヤーであっても、すんなりMQAディスクがかかる。
508をトランスポートした音に、特に不満があったわけでない。
それでもオーディオマニアは欲深いところがある。
私もそうだ。
508で、これだけの音が鳴るのならば、
例えはスチューダーのA730だったら、どんな音がしてくるのか、と思ったし、
メトロノームのKalistaならば(高価すぎるトランスポートだけど)、
いったいどういう音が鳴ってくるのか、想像をこえた音がしてくるのかもしれない。
私がULTRA DACと、最も組み合わせたいトランスポートは、
47研究所の4704/04 “PiTracer”である。