オーディオ入門・考(いつまでも初心者なのか・その3)
「初心者ですよ」とか「まだまだ初心者ですから」と口にするオーディオマニアは、
いったいどういう人なのだろうか。
一方で、自身のことをオーディオのプロフェッショナル、玄人ぶる人もいる。
こういった人たちは、実のところ少数派なのかもしれないが、
インターネットとSNSの普及は、こういった人たちの方が多数のように思わせる。
どちらの人も、オーディオを仕事としている人はまずいない、といっていい。
オーディオ以外の仕事をしている人、
もしくはオーディオ以外の仕事をしてきて、いまは退職されている人であろう。
ほとんどの人が、なんらかの仕事をしている。
つまり、その仕事においては、その人たちはプロフェッショナルである(あった)わけだ。
世の中には多くの仕事がある。
職種がある。
それぞれにおいて、それぞれがプロフェッショナルであるのが、仕事であろう。
けれど、たいした実力もないのに、
オーディオの玄人ぶっている人をみると、
この人は、就いている(いた)仕事において、プロフェッショナルではなかったんだなぁ……、
そんなふうに思うようにしている。
その仕事で給料をもらっているのだから、本来はプロフェッショナルであるべきなのだが、
そうでない人が、どうもいるようだ。
そういう人は、本当のプロフェッショナルを、甘くみているのではないのか。
自身が何のプロフェッショナルでもないのだから、
その程度の見方しかできない。
プロフェッショナルの凄さもわかっていない。
わかっていないから、簡単に自身のことをオーディオのプロフェッショナルとか、
玄人だ、とか、そんなことを口にして、
自分よりキャリアの短い人、安いシステムを使っている人を、
アマチュアだとか、素人だとか、そんなふうに小馬鹿にする。
そんなオーディオマニア(オーディオマニアとはいいたくないけれど)がいる。
そんなオーディオマニアと似た臭いを、
いつまでもいつまでも「初心者ですよ」とか「まだまだ初心者ですから」、
そんなことを口にするオーディオマニアにも感じてしまう。