Date: 8月 11th, 2018
Cate: 真空管アンプ
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現代真空管アンプ考(その8)

1983年に会社名も変更になり、ブランド名として使われてきたQUADに統一されたが、
QUADが創立された当初はThe Acoustical Manufacturing Company Ltd.だった。

QUADとは、Quality Unit Amplifier Domesticの頭文字をとってつけられた。
DomesticとついていてもQUADのアンプは、BBCで使われていた、と聞いている。

BBCでは、真空管アンプ時代はリーク製、ラドフォード製が使われていた。
QUADもそうなのだろう。
このあたりを細かく調べていないのではっきりとはいえないが、
それでもBBCでQUAD IIが採用されていたということは、
QUAD初のソリッドステートアンプ50Eの寸法から伺える。

QUAD IIの外形寸法はW32.1×H16.2×D11.9cmで、
50EはW12.0×H15.9×D32.4cmとほぼ同じである。

それまでQUAD IIが設置されていた場所に50Eはそのまま置けるサイズに仕上げられている。
50Eは、BBCからの要請で開発されたものである。

しかも50Eの回路はトランジスターアンプというより、
真空管アンプ的といえ、真空管をそのままトランジスターに置き換えたもので、
当然出力トランスを搭載している。

50Eの登場した1965年、JBLには、SG520、SE400S、SA600があった。
トランジスターアンプの回路設計が新しい時代を迎えた同時期に、QUADは50Eである。

こう書いてしまうと、なんとも古くさいアンプだと50Eを捉えがちになるが、
決してそうではないことは二年後の303との比較、
それからトラジスターアンプでも、
トランス(正確にはオートフォーマー)を搭載したマッキントッシュとの比較からもいえる。
これについて別項でいずれ書いていくかもしれない。

とにかくQUAD IIと置き換えるためのアンプといえる50Eは1965年に登場したわけだが、
QUAD IIは1970年まで製造が続けられている。
QUAD IIはモノーラル時代のアンプで、1953年生れである。

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