音を聴くということ(グルジェフの言葉・その5)
いま一冊の本(マンガ)を借りている。
「北北西に曇と往け」というマンガである。
北アイルランドを舞台としている。
第一巻の最後のほうに、主人公・御山慧にリリヤという音楽をやっている女性が話しかける。
あの子が話すと
汚れた音がして
気持悪い
日本語だから何 話してるかわからないけど
嘘ついている
聞かないほうがいい
そういうセリフがある。
嘘を言っている日本語は、意味はわからなくとも気持が悪い。
あからさまな嘘ならば、すぐに見抜けることがある。
けれどわかっているつもりで、結果として嘘をいってしまう人がいる。
わかったつもりなのだから、嘘を言っている本人にしてみれば、嘘ではない。
わかったつもりは思い込みや刷り込みによるものだったりする。
いろんな嘘がある。
すぐには見抜けない嘘もある。
けれど嘘は常に汚れた音なのかもしれない。
怒りもなければ、愛もないのが嘘なのか。