私的イコライザー考(中心周波数・その2)
LNP2に3バンドのトーンコントロールがついていた。
機能を徹底的に省いたコントロールアンプもあれこれ夢想していた、
同時にコントロールアンプとしての機能を備えたモノも夢想していた。
トーンコントロールをどうするか。
最低でも3バンド、もっとバンド数を増すことも考えていた。
バンド数とともに、中心周波数をそれぞれどこに設定するのかも重要である。
その参考に、HI-FI STEREO GUIDE掲載の各社のイコライザーのスペックを比較していたわけだ。
たとえばラックスのSG12は型番が示すように12バンドのグラフィックイコライザーで、
中心周波数は14Hz、28Hz、55Hz、110Hz、220Hz、440Hz、880Hz、1.8kHz、3.5kHz、
7kHz、14kHz、28kHzとなっていた。
テクニクスのSH9090は、10Hz、30Hz、60Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、
4kHz、8kHz、16kHz、32kHzであった。
SAEのMark 27は、40Hz、80Hz、160Hz、320Hz、640Hz、1.28kHz、2.5kHz、
5kHz、10kHz、15kHz、20kHzである。
これらを比較して気づくのは、それぞれのバンドの中心周波数のほかに、
もうひとつの中心周波数がある、ということだ。
テクニクスのそれは1kHzと見ていい。
ラックスの440Hzであり、SAEは640Hzである。
これは全体の帯域の中心をどこに見ているのか、の表れだ。
1kHzを中心とするテクニクス、
A音を中心とするラックス、
可聴帯域の下限と上限をかけあわせた40万の平方根である632.455Hzに近い数値の640Hz、
ここを中心とするSAE。
バンド数が少ないからこそ、各社の考えがあらわれていた。