私的イコライザー考(中心周波数・その1)
1981年にテクニクスがSH8065を発表した。
33バンドのグラフィックイコライザーを、79,800円で出してきた。
そのころアルテックの1650Aは28バンドで、534,000円、729Aは24バンドで、622,000円、
クラークテクニークのDN27が27バンドで417,000円。
ただしこちらはモノーラルなので、ステレオだと80万円を超える。
そういう時代にSH8065の79,800円である。
テクニクスのグラフィックイコライザーで最上機種だったSH9090は、
12バンドで200,000円。こちらもモノーラルだからステレオでは40万円だった。
誰もが驚いた、と思う。
グラフィックイコライザーにほとんど関心のなかった人も驚いただろうし、
この値段だったら、と関心を持ち始めた人もいたはずだ。
一社とはいえ、10万円を切る価格で出してきて、それだけ注目をあびたことで、
少なくとも日本のメーカーは追従してくるのかと思っていたけれど、
33バンドのグラフィックイコライザーを、SH8065の同価格帯で出してくるのは困難だったようだ。
テクニクスは翌年上級機のSH8075も出してきた。
それだけ勢いがあった。
33バンドということは1/3オクターヴである。
このくらい細かい分割されると、興味を失うことがある。
中心周波数の設定である。
それまでは10バンド前後が多かった。
このくらいの分割だと、各社で中心周波数に違いが出てくる。
SH8065が出てくるまで、
HI-FI STEREO GUIDEをながめて、各社のイコライザーの中心周波数を比較していた。
中学、高校時代の私は、めぜさマークレビンソン、おいこせマークレビンソンだった。
LNP2以上のコントロールアンプを自作したい、と思っていた。