オーディオと「ネットワーク」(モニター機の評価・その1)
メーカーがオーディオマニアにモニター機を貸し出すというサービスは、
以前から行われていた。
インターネットがない時代は、広告に、そのことが謳われていた。
モニター機を、自分のシステムで、自分の部屋で聴いてみたいオーディオマニアは、
ハガキで申し込む。
当選した人にモニター機が送られてくる。
当選したオーディオマニアは一定期間モニター機を試聴して、
その感想を書いて、メーカーに伝えるとともにモニター機を返却する。
その際、モニター機を気に入ったオーディオマニアは、
そのまま購入できる、というところもあった。
そうやって集められた感想は、ごく一部は、
その後、そのメーカーの広告に使われることもあった。
40年ほど前は、そんなことが行われていた時代だった。
オーディオはコンポーネントであるから、
クルマとは違い試乗して、かなりのことが掴めるわけではない。
クルマは一台で完結しているが、
オーディオ機器は、他の機器と組み合わされてのモノである。
評判のいいオーディオ機器を、自分の部屋で聴いてみたい、
という理由でモニターに申し込む人もいただろうし、
購入を考えていて、最終的な判断を自分のシステム、部屋で聴いて判断したくて、
申し込む人もいたはずだ。
購入する人、しない人がいても、
モニターしたオーディオマニアの周りには、何人かのオーディオマニアがたいていはいる。
モニターした人の多くは、周りのオーディオマニアに、
モニターしたオーディオ機器について語る──、いわゆる口コミである。