Date: 3月 26th, 2018
Cate: ディスク/ブック
Tags:

Hotel California(その3)

いまも“Hotel California”のディスクは持っていない。
そんな私にとっての、記憶の中にある“Hotel California”の音は、
つまりはJBLの4343で聴いた“Hotel California”である。

黒田先生の文章には、
《ハットシンバルの音が、乾いてきこえてほしい》、
それから《ドラムスが乾いた音でつっこんでくる》、
《声もまた乾いた声だ》とある。

それに《12弦ギターのハイ・コードが、少し固めに示されないと》とも書かれている。
音が重く引きずらずに、乾いて爽やかに鳴ってくれるのが、
私のなかにある“Hotel California”の音のイメージであり、
それは一般的な4343の音のイメージとも重なってくるだけに、
よけいに“Hotel California”の、そんなイメージを相乗効果で植え付けられた、ともいえる。

それに曲名が“Hotel California”である。
カリフォルニアに行ったことはないが、湿った空気のするところではない。

それがこの二年のあいだに聴いた“Hotel California”は、ずいぶんと印象が違ってくる。
もちろんスピーカーは、JBLの4343ではない。
けれど、そのことだけが、“Hotel California”の音の印象が違ってくる理由にはならない。

昔4343で聴いたことのある他のレコードを、
いま別のスピーカーで聴いても、音のイメージはそう大きくは変らない。
ところが“Hotel California”は、そうではない。

自分のCDではないので、こまかなところまで見ているわけではないが、
私が耳にした“Hotel California”は、2000年ごろにリマスタリングされたもののようだ。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]