Date: 12月 20th, 2017
Cate: オーディオ評論
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B&W 800シリーズとオーディオ評論家(その7)

今年の春、新宿の東宝シネマズで「GHOST IN THE SHELL」を、IMAXで観た。
IMAXのスクリーンのある空間に入った。

まだ観客はそう多くはなかった。
ぽつんぽつんと坐っているくらいだった時に入った。
BGMも鳴っていなかった。

席について、3D上映用のメガネを取り出そうとした。
ビニール袋を破ろうとして気づいたのは、S/N比の高さだった。
とにかく静かである。
ビニール袋を破ろうとする音が、こんなにも大きく耳障りなのかと感じるほどに、
静かな空間だった。

ここまで遮音性が高く、しかもデッドな空間は、そうそうないだろう。
なにか物音をたててはいけない気持になるほどの静かさだった。

でも、それは心地よい静かさとは違う。
物理的にS/N比の高い空間であることは確かだが、
とにかく自分が立てる物音が気になるのだから、心地よい静かさなわけがない。

人が大勢入ってくれば、暗騒音のレベルが上ってくるから、
そんなことも薄らいでくるが、観客が少ないときの静かさは、
オーディオマニアならば一度は体験してみてほしい。

IMAXで3Dで、マルチチャンネル再生。
そのために必要な条件としての静かさなのだろう。

B&Wの800シリーズは、S/N比のよいスピーカーといわれている。
現在測定できる物理特性としてのS/N比は優秀であろう。

だからといって、そこに静寂さの深さがあるのかというと、
それは別問題であり、
IMAXスクリーンの空間にも、それはいえることである。

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