会って話すと云うこと(その17)
そんなふうにおもう私でも、今日は楽しかった。
つきあいのながい人たちと観に行ったわけではない。
一人は11月に知りあったばかり。
でも、そんなことはどうでもいいほどに、映画の後の雑談が楽しい。
映画の後に、何を話そうか……、などと考えながら映画を観てもつまらない。
そんな観方はしない。
オーディオで、誰かのところに行って音を聴くということを、
私の方から積極的にしないのは、同じ理由からである。
初対面の人のところに行って、音を聴く。
聴き終れば、当然感想を聞かれる。
これが苦痛になることがある。
なんといおうかと考えながら聴いていては、
中途半端に聴き方になってしまうし、聴かせてくれた人に対して失礼でもある。
それでも、なんといおうかと、言葉につまることも、実際にある。
当り障りのないことでごまかすのも失礼だし、
かといって正直に話すのも……、と憚られることも少なくない。
確認したわけではないが、いっしょに行った二人も、
そんな映画の観方はしていないはず。
そういう三人でも、というか、そういう三人だから、というべきか、
話は盛り上る。
10数年、誰かと映画を観ることはしてなかった。
映画だけでなく、コンサートもオーディオに関係することも、
ひとりでやることが圧倒的に多い。
これからもそうであろう。
それでも、これからは、ひとりで、ということに頑なにならずに、
これからは機会があれば、積極的に誰かと映画を観ることにしよう。