KEFがやって来た(その14)
Model 107のウーファーは外側からは見えない。
深く、とまではいえないが、沈んでいる、とはいえる。
その開口部は、くり返しになるが、エンクロージュア上部前方に設けられている。
バイロイト祝祭劇場が、オーケストラピットの開口部の後方に舞台がある。
オーケストラピットには奥行きがあるから、舞台はオーケストラピットの後方上部を覆っている。
Model 107のウーファーの開口部とHEAD ASSEMBLYの位置関係をつ横からみれば、
これに近い、といえる。
もちろん107の開口部からは、160Hz以下の音が出てくる。
バイロイト祝祭劇場のオーケストラピットの開口部は、そんなわけはない。
低音楽器の音しか聴こえてこないわけではない。
オーケストラすべての音が、そこから立ち上ってくる。
その違いはわかった上で、バイロイト祝祭劇場とModel 107の相似性を見いだそうとしている。
そういう見方をする必要がどこにあるのたろうか、と疑問に思われる方もいよう。
わたしにだって、そういう気持がまったくないわけではない。
それでもModel 107の実物を前にして、
なぜレイモンド・クックは、ギミックともとられかねない、こういう方式をとったのか、
そのことを考えると、バイロイト祝祭劇場のことがどうしても浮んでしまう。
レイモンド・クックは、ワーグナー聴きだったのだろうか。
MODEL 107のINSTALLATION MANUALには、RECORD SUGGESTIONSという項目がある。
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The importance of listening tests in setting up your hi fi system has been emphasised in these instructions. Use records having good tonal balance with good imaging qualities, covering as wide a rang of music and voice as possible. To assist your setting-up, and add to your musical enjoyment, KEF recommend the following records (table B) in either analogue or CD (where available) format.
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table Bには、12枚のディスクがあげられている。
クラシックはうち6枚。
そこにはワーグナーのディスクはない。
クックは、ワーグナー聴きだったのだろうか。