結線というテーマ(その1)
オーディオ機器同士は、なんらかのケーブルを使って接続しなければならない。
ケーブルは必要不可欠であり、そのケーブルにより音が変るから、
やっかいとも思えるし、ゆえに楽しいともとらえることかできる。
私がオーディオに関心をもち始めた1976年にも、
いくつかのケーブルが市場に出ていた。
とはいえ、昨今のような活況とはいえない。
現在のケーブル市場を活況といっていいものかは措くとして、
少なくとも製品ヴァリエーションは、圧倒的に多くなっている。
価格というダイナミックレンジは、40年前では想像できなかったほどに大きくなっている。
あの時代に、いまの最高価格帯のケーブルが登場してくるなんて想像できていた人はいないはずだ。
高価すぎるといえるケーブルが゛みな優れているわけではない。
そんなケーブルのすべてを聴いているわけではないが、
概ね個性派といいたくなる傾向がある。
ケーブルに対する考えかたは、人によって違うから、
これだけのヴァリエーションに増えた、ともいえるだろう。
これからも、あれこれアピールしてくるケーブルは登場するだろうし、
最高価格に関しても塗り替えるモノが、いくつも出てくるだろう。
そういったケーブルを、仮に理想ケーブルとしよう。
理想のケーブルはいいすぎならば、理想のケーブルに近付いている、ぐらいにしておこう。
しつこいようだが、あくまでも「仮に」である。
そういったケーブルを使うことで、
接続のすべての問題点が解消されるのであれば、まだ理解できる。
だが、現実に理想に近づいたケーブルであっても、
スピーカーシステムとアンプとの接続において、解決できない問題が存在している。