30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その9)
6月のaudio wednesdayで、「THE DIALOGUE」をひさしぶりに聴いて以来、
先月はディスクを忘れたけれど、昨晩も含めて毎回鳴らしている。
いま喫茶茶会記のアンプはマッキントッシュのMA7900。
電子ボリュウムということもあってか、フロントパネル中央のディスプレイには、
減衰量がdBではなく%で表示される。
6月のaudio wednesdayでは、MA7900の表示で、54%あたりが、
音が破綻しないぎりぎりのところと感じた。
もう少し上げられるけれど、少しきわどいところも出てくるであろうと感じられた。
毎回「THE DIALOGUE」を鳴らしているのは、
どこまでボリュウムを上げられるようになるか、というひとつの挑戦である。
7月は60%をこえたあたりまで、いけた。
8月はディスクを忘れていたけれど、他のディスクの鳴った感触から、
もう少し上げられた、という手応えは感じていた。
9月の今回は、70%まで上げた。
喫茶茶会記のスピーカーはアルテック。
ウーファーは416-8Cで、このユニットの能率がシステム全体の能率となるわけだが、
同じユニットを搭載していて、構成もほぼ同じのアルテックのModel 19(後期)は、
出力音圧レベルは102dB/W/mと発表されているが、
聴いた感じでは97dBとか98dBくらいに感じられる。
97dBとしても、いまでは高能率といえる。
そういうスピーカーに、けっこうなパワーを入れている。
来月は、もっと上げる(パワーを入れる)予定だ。
音量でごまかす、みたいなことをいう人が、いまも昔もいる。
確かに比較試聴をしているときのボリュウム設定は、重要である。
デリケートな試聴になればなるほど、音量のわずかな差は、
音がよく聴こえたり、そうでなかったりすることにつながる。
けれど、その音量の違いというのは、わずかである。
「THE DIALOGUE」でやっているのは、そういうことではない。
大音量再生を知性の感じられない行為だ、という人もいるが、
ただボリュウムを上げれば、それでよし、という領域ではない。
使い手(鳴らし手)の、さまざまなことが試される領域であるから、
大音量再生はスリリングである。