五条件(その1)
オーディオ愛好家の五条件を、五味先生があげられている。
「オーディオ巡礼」でも読めるが、私は「五味オーディオ教室」で先に読んでいた。
①メーカー・ブランドを信用しないこと。
②ヒゲのこわさを知ること。
③ヒアリング・テストは、それ以上に測定器が羅列する数字は、いっさい信じるに足らぬことを肝に銘じて知っていること。
④真空管を愛すること。
⑤金のない口惜しさを痛感していること。
これはすぐに憶えた。
そこに書いてあった内容を含めて、憶えた。
②はLPに関することであっても、CDでも同じだ、と思っている。
CDプレーヤーにはアナログプレーヤーのようなスピンドルがないから、
ディスクにヒゲがつくことはない。
それでもトレイにディスクをセットする際、
ぞんざいに置けば、なんとなく音場がきれいに広がらなくなることがときおりある。
CD登場後、しばらくしていわれはじめたディスクの二回かけである。
CDプレーヤーのトレイのディスクを置く個所の形状、
クランパーの仕方、構造によって、二回かけしてもさほど変らないモデルも増えてきているが、
それでもゼロになっているとは思っていない。
同じディスクなのに、さきほどまでの鳴り方と微妙に何かが違うと感じることがなくなってはいない。
そういう時は、トレイを出してもう一度プレイボタンを押してみる。
100%、二回かけしたほうがいいと限らないが、それでも改善されることがあるのも事実だ。
私は、この二回かけがどちらかといえば嫌いで、そんなことをやりたくないから、
トレイにディスクを置く際は、LPにヒゲをつけないのと同じような感覚で扱っている。