Date: 8月 27th, 2017
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ヤマハのA1・その11)

ヤマハのA1のデザインは、A1が登場した時から心にひっかかっていた。
そのこともあってヤマハの当時の広告はしっかりと読んでいた。

ステレオサウンド 49号のヤマハの広告。
A1とA3の広告があった。
となりのページにはCA2000の広告だった。

A1の広告のキャッチコピーは「その灯りは、心はずむ序奏であるだろうか」。
ボディコピーを引用しておこう。
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●現代の、光が、あるいは灯りがどんなに氾濫する時代にあっても、思わずはっと心にとまり、思わず、つと心に安らぎをもたらしてくれるような灯りは、そう多くはないといえるかもしれませんが、そうであれば、真四角にほの淡くイルミネートされるA-1やA-3のスウィッチの灯りはアンプデザインのあり方に、あるいは音楽を待つ人の心のあり方に一石を投じたとはいえ、それがすべてではなく、本質的には、新しく価値ある介すと機能からの必然的な顕われです
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確かに光が氾濫している時代に、
トランジスターアンプに移行してからの時代は入っていた、といえよう。
だからこそ、真空管のヒーターの灯の意味が増してきた、ともいえよう。

A1のデザインは、国産アンプとしては初めて、灯をデザインにとり入れた、といえる。
マッキントッシュとは違うやり方で、ヤマハはやっている。

けれど、それがマッキントッシュほど徹底したものであったかは、少々疑問である。
菅野先生のマッキントッシュ論をもう少し引用しておく。
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 ガウ氏は、この空港で得たヒントを研究室に持ち帰り、徹底的なリサーチを行った。その結果決定されたのが、マッキントッシュのイルミネーションに使われている、ブルーでありグリーンであり、レッドなのである。
 彼の説明によると、ブルーという色は、人間に、少ない光量で視覚的に正確な認識を与えるものとして最も適している。光量が一番少なくていいわけである。要するに、イルミネーションで正確な認識を与えるためには、光量が多ければいい。しかし、それでは結果的にまぶしく、疲れてしまう。最低の光量で、最も正確に認識しうるものが、イルミネーションの基本のはずである。「現に、飛行場のイルミネーションも、この実験から生まれたものだったんだよ」と彼は言う。
 しかし、心理的に、このブルーという色は冷たい感じを与える。「視野の中に入ってきたブルーから冷たい感覚を得ないためには、それにグリーンとレッドを組み合わせること。こういうデータをミシガン大学の研究室で得たんだ」
 たとえばメーターは、最低の光量で見えるべきだ。見てまぶしいようなメーターでは困る。最低の光量で正確に見える色はブルーである。だが、これだけでは冷たい。そのためにグリーンを持ちレッドを持つ。「これが、あのイルミネーションの基本的な考え方なんだ」
 次に、なぜガラスを使ったかなのだが、これについてガウ氏は、「それは単純だよ」と言う。つまり、イルミネーションというアイデアが浮かべば透明なものを使わなくてはならない。考えられるのはアクリルなどのプラスチック類とガラスである。「三つの点でガラスがまさっている。第一に傷に強い。第二に最も純粋な透明度が得られる。第三にフィーリング・オブ・アキュラシー、つまり緻密な精度感を持つ。せっかくいいメカニズムを作っても、そのフィニッシュにアキュラシーなフィーリングがなくては……。それは中味を象徴することになるのだから」
 だが、材質をガラスに決定した事によってイルミネーションのプリントには大変な苦労をしたようである。ピンホールがちょっとでも出来ると、相手が光だからパッと出てしまう。しかもプリントの精度は、1万分の1インチ以上でなくてはフィーリング・オブ・アキュラシーが出ない、と彼は言う。
「とにかく、200種類のインクを分析して実験した。その結果、出来るようにはなったんだが、プリント時の温度は絶対に70度プラスマイナス5度。そして湿度は15%プラスマイナス5%。これを管理しなければならない。実際にこれは、途中で何回やめようと思ったかわからない。でも、思いついたことをやりとげるのが自分達の仕事の喜びなんだ」
 あまり飾らないガウ氏が熱をこめて語るこの言葉は、同時に、彼のマッキントッシュ製品に対する自信のほどを、裏づけるものとも、私には思えたのである。
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ヤマハのA1は115,000円のプリメインアンプ、
マッキントッシュは価格帯も上のセパレートアンプ。
そういう前提条件の違いはあることはわかっていても、それでも……、と思うところがある。

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