世代とオーディオ(昭和は遠くになりにけり……か・その10)
物分りのいい人ぶっている知人も、チャールス・ミンガスを聴いている。
チャールス・ミンガスは素晴らしい、
チャールス・ミンガスの音楽は人類の宝だ、ともいっている。
黒田先生はチャールス・ミンガスの音楽は、
「怒る勇気を思い出し、怒るという感情の輝きを再確認」する音楽であった。
物分りのいい人ぶっている知人が聴いている、というチャールス・ミンガスと、
黒田先生が聴いてきたチャールス・ミンガスとは同じ人物なのに、
まるで違う音楽の人のようにも感じる。
「怒る勇気を思い出し、怒るという感情の輝きを再確認」する音楽を、
どういう音で、物分りのいい人ぶっている知人は、きいているのだろうか。