必要とされる音(その6)
そんなことはパラゴンに対する冒瀆だ、といわれそうだが、
高校生のころから想像(妄想)していることがある。
パラゴンのユニットをヴァイタヴォックスに換えてみたら……、である。
パラゴンのウーファーはLE15Aだった。
LE15Aは、どうみてもパラゴンのエンクロージュア向きのウーファーとは思えないところがある。
もともとのパラゴンに搭載されていたのは150-4Cである。
1964年にLE15Aになっている。
この時点で150-4Cが製造中止になったわけではなく、
同時期にハーツフィールドもユニット変更を受け、
075を加えた3ウェイモデルとなっている。
ハーツフィールドのウーファーは変更なく150-4Cのままだった。
中古市場では150-4C搭載のパラゴンのほうが高価だ。
どこまでほんとうなのかは確認していないが、
150-4C搭載のパラゴンの程度のいいモノが出ると、高価であってもすぐに売れてしまうが、
LE15A搭載のパラゴンは、在庫になってしまうこともある、とか。
LE15Aはホーンロードに向くユニットではない。
そのことも関係してのことだろうが、
そんなことはJBLがいちばんよくわかっていて、にも関わらずパラゴンにLE15Aを搭載しているのは、
何か理由があるはずだが、はっきりとはわからない。
LE15A搭載のパラゴンの音は聴いている。
150-4C搭載のパラゴンの音は聴いたことがない。
後者のパラゴンこそパラゴンである、とはいわないが、その音は気になる。
ホーンロードに向くウーファーのパラゴンの音、
そんなことを想像していたころに、あるオーディオのムックが出た。
電波新聞社の「スピーカーユニットのすべて」である。
1979年に出ている。