Date: 7月 8th, 2017
Cate: スピーカーとのつきあい
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ホーン今昔物語(その13)

定指向性ホーン(Constant-Directivity Horn)は、
エレクトロボイスに在籍していたドン・キール(Don Broadus Keele, Jr)によって開発されたことを知ったのは、
いつだったかは正確に憶えていないが1980年代に入ってからだった。

1974年に開発していた、とのこと。
1975年に特許申請して、1978年に特許取得している。
公告番号US4071112 Aである。

どうしても輸入元を通じて日本市場に紹介される製品のみを見がちになる。
そのころのエレクトロボイスのホーンで、
定指向性を謳ったモノは、日本のコンシューマー市場にはなかった。
だからアルテックのマンタレーホーンが、定指向性ホーンの走りだと認識してしまった。

定指向性ホーンは1974年には開発されていた。
そのころ、すでにSentry IVAはあった。
トゥイーターはST350がついている。

このころST350はラジアルホーンということになっていた。
ST350の開発者が誰なのかはわからない。
ドン・キールなのだろうか。
ドン・キールは1972年から’76年までエレクトロボイスに在籍していた。

ドン・キールは、その後(1977年)にJBLに移っている。
JBLのバイラジアルホーンはドン・キールによる開発で、
1980年に特許申請され、1982年に特許取得している。
公告番号US4308932 Aである。
検索すればPDFがダウンロードできる。

ドン・キールは1984年までJBLに在籍していた。
ということは4430、4435に搭載されているバイラジアルホーン2344は、
彼の設計によるものなのだろうか。

4430、4435の設計責任者は、デヴィッド・スミスというエンジニアだが、
彼が2344まで設計しているとは限らない。

エレクトロボイスのトゥイーターST350の形状と2344の形状、
アルテックのマンタレーホーンからJBLのバイラジアルホーンへの形状の変化、
それらを考え合わせると、2344はドン・キールの手によるモノと思えてくる。

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