所有と存在(その10)
「ただの音楽愛好家にもどられた」なのか、
「真の音楽愛好家になられた」なのか、
どちらが正しいという類のことではない。
その人の立脚点が違うだけのことである。
その立脚点も、どちらが正しいとか、そういうことではない。
ただただ立脚点が違う、というだけのことだ。
それゆえの解釈の違いである。
このことはこの項のタイトル「所有と存在」にかかってくる。
ここで音は所有できない、音楽も所有できない、と書いてきている。
「音は所有できるのか」というタイトルは、まったく考えなかった。
あくまでも「所有と存在」である。
音は所有できない。
でも存在するものがある。
そう考える私は、オーディオマニアである、ということ、
そこから解釈している、ということだ。