スピーカーシステムという組合せ(セレッションSL600・その3)
セレッションSL600のフロントバッフルの下部中央に、ロゴプレートがある。
これは両面テープで貼られている。
このプレートを指で弾いてみると、いい感じの音はしない。
これを外す。
聴感上のS/N比の優れたスピーカーシステムで、
聴感上のS/N比に充分な配慮をしたセッティングをしていれば、
このプレートを外しただけでも、音ははっきりと変る。
もっとも外した理由は音を良くしたいからではなく、
ロゴプレートのデザインに気に入らなくて、視覚的に外したかっただけである。
けれどSL600での変化は予想に反して鈍い。
同じことは他の個所についてもいえた。
ウーファーの周囲には金属製のプレートがある。
これはネジ止めされている。
これも外してみた。
外したSL600はみっともない。
それでも一度は外した音を確かめておく。
ここでの変化は鈍かった。
ここまで来ると、SL600はもしかすると聴感上のS/N比があまり良くないことに気づく。
他にも試している。
ウーファーのプレートを止めている六角ボルトの頭にゴムキャップをとりつけてみた。
レンチが入るところを埋め、ボルトの頭からの不要輻射を抑えるためである。
同じことをトゥイーターのボルトにやる。
これは当時のダイヤトーンのスピーカーシステムに採用されていた手法である。
ダイヤトーンのスピーカーでは、このキャップがあるとないとでは、はっきりと音の変化がある。
SL600は変化しないわけではないが、変化量が小さい。
これは聴感上のS/N比を大きく疎外している要因があるわけで、
それを抑えてみるために(その2)で書いている方法を採った。
この手法を採った上で、もう一度上記のことをくり返し試す。
あきらかに変化量に違いが出てくる。
これはもうエンクロージュアの素材に起因しているものと判断した。