菅野沖彦氏のスピーカーのこと(その16)
この項の(その1)を書いたのは、2008年9月だから、
このブログを始めたばかりのころである。
少し時間をかけすぎた、と反省している。
「菅野沖彦氏のスピーカーのこと」というタイトルで書こうと思ったのは、
そのころよく「菅野先生の音は、どういう音なんですか」と訊かれていたからだ。
できるかぎりの説明はするものの、それだけで伝わっているとは思っていない。
菅野先生の音を想像する、それも正しく想像するのに、何かきっかけとなる音、
それも聴こうと思えば、多くの人が聴ける音として、何があるだろうか、と考えた。
浮んだのは、B&OのスピーカーシステムBeoLab 5である。
2008年の段階で XRT20は製造中止になって久しいし、
マッキントッシュのラインナップからXRT20の後継機といえるモデルはなかった。
JBLの375を中心としたシステムは、
JBLのスピーカーシステムのラインナップに近いモノはない。
ジャーマン・フィジックスのDDD型を中心としたシステムに関しても、同じだ。
でも、これら三組のスピーカーに共通する要素を考え、抽出し、
その要素を備えているスピーカーシステムとなると、Beolab 5ということになる。
だから、「菅野先生の音は、どういう音なんですか」と訊ねてきた人に対して、
全員ではないけれど、何人かにはBeoLab 5を聴いてみることをすすめた。