セッティングとチューニングの境界(その5)
引用した五味先生の文章だけでは、
セッティングとチューニングの違いについて私がいいたいことが何なのか、
はっきりとしないじゃないか、と思われるかもしれない。
映画「ピアノマニア」だけを観ても、そうかもしれない。
でも、「ピアノマニア」を観て、
五味先生の文章を読み、
セッティングとチューニングについて、そしてその違いについて考えてきた人ならば、
セッティングとチューニングの違いについて、何かを掴めているはずだ。
ただ漫然とオーディオをやってきた(いる)人、
セッティングとチューニングを一緒くたに捉えてしまっている人、
数年前のステレオサウンドの「ファインチューニング」というタイトルに、
何の疑問も感じなかった人は、
「ピアノマニア」を観て、五味先生の文章を読んでも、
私がいいたいことは何ひとつわかってくれないであろう。
結局のところ、そういう人は、オーディオの想像力が欠如しているのだから。