自走式プレーヤーの領域(その6)
ステレオサウンド 87号に「スーパーアナログプレーヤー徹底試聴」が載っている。
副題として、
「いま話題のリニアトラッキング型トーンアームとフローティングがたプレーヤーの組合せは、
新しいアナログ再生の楽しさを提示してくれるか。」
とつけている。
私が担当した企画(ページ)である。
ここで取り上げたのはSOTAのStar SapphireにエミネントテクノロジーのTonearm 2、
オラクルのReferenceにエアータンジェントのAIRTANGENT II、
ゴールドムンドのStudietto、
バーサダイナミックスのMODEL A2.0にMODEL T2.0である。
ゴールドムンドだけがサーボコントロールを採用している、
いわば電動型のリニアトラッキングアームである。
これら四機種は、どれも未完成品といえるアナログプレーヤーばかりである。
87号が手元にある方はページを開いてほしい。
大見出しに
「趣向をかえたプレーヤー試聴。いずれも『未完成』の魅力をもっている。」
とつけている。
この時の試聴は輸入元の担当者にあらかじめセッティングと調整をお願いした。
試聴は、そのセッティングをいじることなく、場所の移動もすることなく、始めた。
それでも一部の機種では不都合が生じ、私が調整しなおすことになった。
実際にこれらのアナログプレーヤーを触ってみると、
未完成品といいたくなる。
もちろんすべてのオーディオ機器が100%完成品といえるわけでもなく、
その意味では少なからず未完成の部分も保留しているけれど、
そういう意味ではなく、もっと積極的な意味での未完成品である。
だから、この記事ではリード線の処理について、写真とともに解説をつけている。