自走式プレーヤーの領域(その7)
このリード線の処理は、
ステレオサウンド 87号(1988年)の時代よりも、
いまのほうがより重要なポイントといえる。
いうまでもなくカートリッジ出力信号は微小信号である。
しかも低域においては中域よりもレベルが下っていくし、
ローレベルの信号はさらに下るわけである。
実際に自分で計算してみると、ぞっとするような小さいな値になる。
リニアトラッキングアームではリード線の可動範囲がどうしても大きくなる。
この部分をうまく処理しないと、
アナログディスク再生の魅力を大きくスポイルすることになってしまう。
最近のハイエンドのトーンアームの中にも、
リード線の処理について無頓着な製品をみかける。
自走式プレーヤーとなると、このリード線の処理がネックになる。
なにせトーンアーム自体が毎分33 1/3回転、それが約20分ほど続くわけだから、
どの部分からリード線を引き出して、どうするのかをきちんと考えないと、
実際の再生はおぼつかなくなる。
解決策は、ひとつは考えてある。
ただし、この解決策では実験は可能でも、製品とすることは難しい。
なので、なんらかの工夫がさらに必要となってくる。
それでは実際にサウザーのSLA3と同じ機構のリニアトラッキングアームで、
自走式プレーヤーにするかといえば、
ここにもさらなる工夫が必要となる。
リニアトラッキングアームを自分のモノとして使ってはいないが、
ステレオサウンドの試聴室で使っている。
気づいている点がいくつかある。
その点に関しても、考えていることがある。