日本のオーディオ、これまで(ラックスCL32・その7)
型番とは、そのオーディオ機器のいわば名前である。
名前をおろそかにつける親はいないのとと同じで、
きちんとしたメーカーであれば、自社製品の型番をおろそかにはしない。
そして型番にはそれぞれのメーカーにつけ方のルールがあろう。
アルファベットと数字の組合せからなるのが、大半の型番だけに、
アルファベットが示す意味と、数字が示す意味とは分れる。
ラックスの型番にもルールがあった。
あえて過去形で書いている。
前回(その6)で書いているように、
最初のアルファベットが二文字のときは数字との間にハイフンは入らない、
一文字の場合は数字との間にハイフンがはいる、というルールがあった。
どういう意図で、この型番のつけ方が決ったのかはわからない。
これは知りたいと思っていることのひとつである。
歴史の長いメーカーだと、そのルールをつくった人がすでにいないことも多い。
明文化されていないルールなのかもしれない。
だからいまのラックスはアルファベットが二文字でもハイフンを入れている。
ルールは時代によって変っていってもいい、と考えている。
でも、ラックスの型番に関しては、アルファベット二文字でもハイフンが入るのには、
わずかとはいえ違和感を感じてしまう。
ラックスらしさが消えてしまったかのようにも感じるのだ。
ささいなことといえば、確かにそうだ。
でも、そのささいなルールを変えたのか、破ってしまったのか、
それともルールがあったことすら知らないのか。
ならば型番自体も大きく変えてしまえばいいと思うのだ。
以前からある型番を受け継ぎながらつけていくのであれば、
そこにあったルールを守るべきだ、と私は思う人間だ。
しかも、同じことがラックスの場合、
アンプのパネルフェイスに関してもいえるのが、深刻なように感じてしまう。
LX380を見て、伝統のデザインといえるだろうか。