ステレオサウンドについて(その105)
ステレオサウンド 59号の表紙はJBLの4345。
4343が表紙の41号から読みはじめた私は、
どうしても41号と59号を、記憶のなかで比較してしまう。
つまり、それは4343と4345のプロポーションの比較であり、デザインの比較でもある。
どちらも正面からの撮影である。
バックの色調が違うということ、
41号の4343はウォールナット仕上げではなく、サテングレー仕上げだったこと、
59号の4345はウォールナット仕上げ、そういう違いもあって、
受ける印象はずいぶん違う。
改めて4343のデザインの良さを認識してしまうことになる。
59号の特集はベストバイである。
51号、55号のベストバイにがっかりしていたから、
59号にも期待はしていなかった。少しは良くなってたらいいけど……くらいだった。
実際の59号の特集は、51号、55号よりは少しは良くなっていた。
やはり評判が良くなかったんだろう、と思った。
それでも43号のベストバイには及ばない。
このころは編集のことをなにひとつ理解していなかった。
いまはその理由もわかる。
けれど、それはあくまでも編集側の都合であって、
読み手はそんな特集を望んでいるわけではない。