Date: 10月 26th, 2016
Cate: 録音
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マイクロフォンとデジタルの関係(その2)

デジタルマイクロフォンという言葉をきいたのは、
菅野先生のリスニングルームであった。

「このCD、聴いたことあるか」といって、
ケント・ナガノ、児玉麻里のベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番を聴かせてくれた。
別項で書いているように、聴く前はあなどっていた。
音はいいだろうけど、ケント・ナガノ(?)、児玉麻里(?)と思っていた。

もちろんふたりの名前は知っていた。
ケント・ナガノの演奏は、何かの録音で聴いていた。
児玉麻里は聴いたことはなかった。

負のバイアスが思いっきりかかった状態で聴いていた。
もう最初の音から、負のバイアスは霧散した。
そのくらい、いままで聴いたことのないレベルの音が鳴ってきた。

音だけではなく、演奏も見事だった。
一楽章を最後まで聴いた。
「続けて聴くか」と菅野先生がいわれた。
最後まで聴いていた。

このCDは、ノイマンがデジタルマイクロフォンのデモストレーション用に制作した、ということだった。
その時は市販されていなかったが、しばらくしてカナダのレーベルから出ていた。

デジタルマイクロフォンとは、
マイクロフォンにA/Dコンバーターを内蔵し、デジタル出力で信号が取り出せるようになっている。

録音の現場ではマイクロフォンからケーブルが、場合によっては非常に長くなることがある。
ケーブルが長くなれば、それだけロスも増えるし、ノイズの影響も受けやすくなる。
音の変化もある。

デジタル伝送にすれば、すべて解決とまではいかないものの、かなりの改善が期待できる。
録音に必要な器材がデジタル化されて、マイクロフォンもそうなった。

このノイマンのマイクロフォンは、
ハードウェアとしてのデジタルが、マイクロフォンに搭載されたわけで、
デジタルにはハードウェアだけでなく、ソフトウェアとしてのデジタルもある。

このソフトウェアとしてのデジタルが、マイクロフォンをどう変えていくのか。

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