Date: 9月 22nd, 2016
Cate: ショウ雑感
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2016年ショウ雑感(その8)

すべてがというわけではないが、いくつかの出展社のブースでは、
持参したCDをかけてくれるところもある。

聴きなれたディスクをかけてもらえれば、
そこで鳴っている音の判断が正確にできる──,
とは私は思っていない。

そう思うのは各人の自由だけれど、
意外にもそうではないことを知っておいてほしい。

むしろオーディオショウという場では、
聴きなれた一枚のディスクをじっくり聴くよりも、
傾向の違うディスクを何枚か鳴らされた音を聴いた方が、まだ確かといえる。

レーベルの違い、録音年代の違い、編成の違いなど、
ディスクによってそれらはさまざまである。

一枚のディスクがどう鳴ってくれた、といういわば絶対的な聴き方よりも、
こういう場では、それぞれのディスク(録音)がどういう違いで鳴ってくれるか、
という相対的な聴き方のほうが向いている。

なので私はオーディオショウにディスクを持参したことはない。
それに私はオーディオショウは、厳密な判断を下せる場とも思っていない。
楽しむ場だと思っている。

もちろんオーディオショウという場を、どう捉えようと、これも各人の自由である。
けれど自宅の音(自分の音)と比較ばかりして、
このブースも、あのブースも、いまひとつの音ばかり、聴くにあたいしない、
などといって何になるのだろうか。

自分の音をいい音だと思いたいからなのか、
それとも自分の耳はいい、とアピールしたいからなのだろうか。

ブースに入っても、ほんのわずかな時間だけで出てしまう人が少なくない。
そういう人を知っている。
彼は、「音なんて、ちょっと聴けばすぐに判断できるから」とその理由をいう。
そこには自慢が含まれていない、といえるだろうか。

私も場合によっては、すぐにブースを出ることがある。
あまりにも人が多過ぎて、であり、そういう場合は時間をずらしてもう一度行くようにしている。
二時間ほどしか会場にいられなかったりするときも、
できるだけ多くのブースの雰囲気だけでも知りたいということで、
割と短時間でブースを出ることもするが、
「音なんて、ちょっと聴けばすぐに判断できるから」という理由では、決してない。

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