ステレオサウンドについて(その66)
ステレオサウンド 52号の特集はセパレートアンプのページが終れば、
広告をはさんでプリメインアンプのページが始まる。
プリメインアンプの試聴記の前には、
上杉先生による「最新プリメインアンプの傾向と展望」がある。
この後に試聴記がある。
プリメインアンプの試聴記の後には、
プリメインアンプ機能一覧表、コントロールアンプ機能一覧表、
パワーアンプ機能一覧表がある。
これで特集は終りだな、と思った。
一覧表の後には広告があったからだ。
もうこれだけでも充分なボリュウムである。
けれどまだ続いているといえるページがあった。
柳沢功力氏による「ピュアAクラスと特殊Aクラスの話題を追って」である。
この記事はまずトランジスターの動作原理から始まる。
といっても技術解説書のような内容ではなく、
真空管とトランジスターの違い、
A級動作とB級動作の違いなどをわかりやすいイラストを使い、丁寧に説明してある。
その上でスイッチング歪についての説明があり、
メーカー各社の出力段の新方式について解説がある。
この記事の白眉は、最後のページ(368ページ)にある。
各社からさまざまな方式が出ていたが、それらを他社のエンジニアはどう捉えているのか。
それについてのコメント(匿名ではあるが)が並ぶ。
このページの隣は、連載の「サウンド・スペースへの招待」である。
だから、これでやっと特集のページが終った、と思った。
だがまだ続きがあった。
「サウンド・スペースへの招待」、広告のあとに「JBL#4343研究」がある。
今回は瀬川先生の担当である。
副題にこう書いてある。
「#4343はプリメインアンプでどこまで実力を発揮するか、
価格帯別にサウンドの傾向を聴く」
特集のプリメインアンプのところで登場した中から八機種をピックアップされての記事である。
特集冒頭の「最新セパレートアンプの魅力をたずねて」のプリメインアンプ版ともいえる。
ここまでが52号の特集といってもいいだろう。
終ったと思ったところに、あとひとつ記事が用意されていたのは、
特集だけではなく、新連載のTHE BIG SOUNDもそうだ。
「EMT927Dstについて、わかったことがもう少しあります」というタイトルの、
編集部原稿の記事がある。
これがステレオサウンド 52だった。