どちらなのか(その5)
「五味オーディオ教室」でオーディオにのめり込んでいった私にとって、
五味先生がリスニングルームに来て下さる日を夢見ていた。
その日が何年後かもっと先のことになるのか、
まったく見当つかなかったけれど、その日を夢見てオーディオに精進していこう──、
そう思い始めていたころ、1980年に五味先生が亡くなられた。
五味先生に会えなかった……、
そのショックも大きかった。
五味先生にききたいことは山ほどあった。
いまもある。
けれどもうきくことはできない。何もきけなかった。
だから自分で考えていくしかない。
このブログを書いているのも、だからである。
これでよかったのかもしれない。
と思うとともに、この行為は極めようとしているのか、
修めようとしているのか、どちらなのか。
両方なのだろうか。