Date: 3月 21st, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その31)

瀬川先生の「モニタースピーカーと私」の終りちかくに、こう書かれている。
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 リファレンス・スピーカーとしてJBL♯4343を参考にしたが、それは、このスピーカーがベストという意味ではなく、よく聴き馴れているためにこれと比較することによって試聴スピーカーの音の性格やバランスを容易に掴みやすいからだ。そして興味深いことには、従来のコンシュマー用のスピーカーテストの場合には、大半を通じてシャープ4343の音がつねに最良に聴こえることが多かったのに、今回のように水準以上の製品が数多く並んだ中に混ぜて長時間比較してみると、いままで見落していた♯4343の音の性格のくせや、エネルギーバランス上での凹凸などが、これまでになくはっきりと感じられた。少なくとも部分的には♯4343を凌駕するスピーカーがいくつかあったことはたいへん興味深い。
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JBL・4343のもつ《音の性格のくせ》、《エネルギーバランス上の凹凸》が、
これまでになくはっきりと感じられた、つまり感じさせたスピーカーがあったということで、
その筆頭はK+HのOL10のことだと、(はっきりとは書かれていないけれど)そう受け取った。

44号、45号、この46号とスピーカーの特集が三号続いて、
なぜ、こうもスピーカーシステムというモノは、これほどまでにすべて違うのか──、
それを知ることができた、といっていい。

スピーカー特集の三号に登場したスピーカーシステムをすべて聴いたことのある人は、
ステレオサウンド関係者を含めても、そう多くはないはずだ。

これとあれは聴いているけれど……、
聴いていない機種の方が多いという人が大半だと思う。

私もそのひとりであり、聴いたことのあるスピーカーの数は少ないほうだった。
音は活字で、どこまで表現できるのか。
そのことを考えれば、スピーカーシステムというモノを、ほんとうのところはわかっていないともいえるのだが、
そうであっても、違いの多様さは確実に知ることができた。

46号の特集のおわりには、岡先生による「その他の世界のモニタースピーカー紹介」がある。
デンオンのDS103、ガウス・オプトニカのCP3830、KEFのModel 5/1AC、フォノゲンのPhonogen 1、
シーメンスのEurophon、ウェストレークのTM2が紹介されている。

ガウス・オプトニカ、フォノゲン、KEF、シーメンス、ウェストレークが、
特集の本編で取り上げられていないのは少し残念だった。

瀬川先生も《そして試聴できなくて残念だったスピーカーはウェストレーク、ガウス、シーメンスなどであった》
と書かれている。

瀬川先生が、これらのモニタースピーカーをどう評価されたのか、
それが読めなかったのはほんとうに残念である。

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