ステレオサウンドについて(その29)
ステレオサウンド 46号の特集は、
44号、45号から三号続いてのスピーカーであり、
既に書いているようにモニタースピーカーという枠をもうけている。
モニタースピーカーと、簡単に口にしてしまうが、
モニタースピーカーの正確な定義となると、いまも非常に難しいところがある。
46号の特集は、
モニタースピーカー私観(岡俊雄)
レコーディング・ミキサー側からみたモニタースピーカー(菅野沖彦)
モニタースピーカーと私(瀬川冬樹)
という三つの文章からはじまる。
じっくり読んでも、読み返しても、モニタースピーカーの正確な定義を簡潔に述べることは、
いまも難しいと感じる。
46号に登場するモニタースピーカーでもっとも小型なのはロジャースのLS3/5Aであり、
大きいモノではダイヤトーンの4S4002Pがある。
前者は5.3kg、後者は135kgと、カタログには載っている。
価格ではJBLの4301がもっとも安価(65000円)で、ダイヤトーンの4S4002Pがもっとも高価(100万円)だ。
日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツのモニタースピーカー17機種が載っている。
その中でもっとも聴いてみたい、と思ったのはK+HのOL10である。
UREIのModel 813も聴いてみたい、と思った。
キャバスのBrigantinにも興味をもっていた。
それでもOL10の、瀬川先生の試聴記を読むと、聴いてみたい、というよりも、
聴かなければ……、という気持のほうが強くなってくる。
OL10の試聴記の最後にこう書かれている。
《私がもしいま急に録音をとるはめになったら、このOL10を、信頼のおけるモニターとして選ぶかもしれない。》
残念ながら、聴く機会にめぐまれずいまにいたっている。