続・再生音とは……(その26)
正月休みに何をやっていたかというと、
Huluで、スタートレックの映画版を一作目から順に観ていた。
全部で十本ある。
TOS(The Original Series)が六本、
TNG(The Next Generation)が四本。
すべて映画館で観ている。それをあらためて観ていた。
TOSにはスポック、TNGにはデータが登場する。
スポックはバルカン人と地球人のハーフであり、
スポックの口ぐせ「船長、それは非論理的です」からもわかるように、感情を表に出すことはない。
バルカン人の設定が、感情を完全に抑制できるためであり、スポックは地球人とのハーフのため、
この部分が完全なバルカン人とはちがう。
データはアンドロイドであり、当然のことながら感情をもたない。
けれど感情チップを装着している。
くわしいことは映画スタートレックを観ていただきたいのだが、
スポック、データの存在は、人間とは何かを問いかけてくる。
特にアンドロイドのデータがそうだ。
映画版だけでなくテレビ版のTNGをみていた人ならば、
データの変化、進化が描かれることで、人間とは何者なのかを考えることになる。
人と限りなく近い存在であり、
人よりも優れた能力をスポックもデータももっている存在でありながら、
感情という点に関して、人とははっきりとちがう。
だからこそスポックとデータは、スタートレックにおける重要な存在といえる。
私にとって、オーディオを考えるうえで、再生音とは何かを考えるうえで、
このふたりの存在といえるのが、
アンドロイドのピアニストであり、ピアノロールによる自動ピアノなのだ。