Date: 11月 5th, 2015
Cate: ジャーナリズム
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オーディオにおけるジャーナリズム(ステレオサウンド 24号より・その2)

Lo-DのHS500の変更点は、他にもある。
HS500はホーン型トゥイーターをもつ。
このトゥイーターの前面にはディフューザーがついている。
最初のころは金属製だったのが、いつのころからか樹脂製へと変更されている。

材質の変更は、形状が同じであれば特性上の変化としては表れない。
だが材質の変更は音には、はっきりと表れる。

吸音材の材質に関しても同じだ。
特性的にはなんら変化はなくとも、音にははっりきとした変化がある。
グラスウールから粗毛フェルトに変更になっているのだから、まったく同じ音になると考えることに無理がある。

ユニットの端子位置の変更に関してもそうだ。
これくらいで音は変らないと思う人もいるかもしれない。
けれど端子位置はかなり音に影響する。

別項で書いている喫茶茶会記のスピーカーの調整に関しても、
807-8Aドライバーの端子が、通常では上にある。
これを下側にもってくるようにホーンごと反転させた。
807-8Aの後にある銘板が逆さまになってしまうけれど、これによる音の変化は決して小さくない。

そんなことで音が変るわけはない、という人はホーン型のシステムに取り組んだことのない人であろう。
ホーン型だけでなく、どんな方式のユニットであれ、端子位置は音に影響してくる。

優秀なユニットであれば、その音の変化ははっきりと聴き取れる。

なのに日立製作所の人たちは、音もなんら変わることがないことを確認した、と回答している。
いまから40年ほど前にしても、この回答はおかしい、と言わざるを得ないし。
Lo-Dというブランド名が、この会社をよく表しているともいえよう。

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