喫茶茶会記のスピーカーのこと(その2)
音楽館のスピーカーのユニットを構成をみて、
少なからぬ人が不思議に思うのはグッドマンのトゥイーターであろう。
アルテックにはあまりいいトゥイーターがなかった。
3000Hが以前はあったし、その後マンタレーホーンのMR902も登場したけれど、
アルテックのトゥイーターは、ウーファー、ドライバーに対してやや貧弱な印象があった。
そうなると他社製のトゥイーターをもってくることになる。
意外にもJBLの2405はうまくいくようである。
ホーン型にこだわらなければ選択肢はかなりある。
なのに、なぜグッドマンのDLM2なのだろうか、と思っていた。
実際に調整をやっていくと、やはりこのトゥイーターがクセモノである。
途中トゥイーターを外して、アルテックの2ウェイだけで鳴らしてみた。
その方がいいところはあった。
でも高域ののびに関してはトゥイーターがあったほうがいい。
外したまま調整していこうかも考えた。
けれど音楽館のスピーカーはただ単にアルテックの2ウェイということだけではなく、
このグッドマンのトゥイーターがあってのものであっただろうし、
喫茶茶会記の店主・福地さんも音楽館のスピーカーを受け継いで鳴らしたいという考えだから、
私が気にくわないからといって外すわけにはいかない。
DLM2にはレベルコントロールはないし、
喫茶茶会記には抵抗があるわけではない。アッテネータとできるわけではない。
ホーンとドライバーの位置と置き方をさぐりながら、トゥイーターの置き場所もさぐっていた。
けれど、どこに置いても、このトゥイーターの音はかなりシステムの音に影響する。
外したい気持は強いが、喫茶茶会記はジャズ喫茶である。
個人のリスニングルームであれば、ただ一点の聴取位置でいい音に調整するということもありだが、
ジャズ喫茶ではそういうわけにはいかない。
真ん中で聴ける人はわずかである。多くの人が左右どちらかに寄った位置で聴くことになるし、
人が多ければ部屋の隅近くで聴くことにもなる。
真ん中で聴けない人にもある程度の音で聴いてもらいたい、ということを考えると、
トゥイーターをうまく活かすのも、ひとつの手である。
トゥイーターをどうしたのかは、喫茶茶会記に行って確かめてほしい。
結果としては、かなりうまくいった。