喫茶茶会記のスピーカーのこと(その1)
四年前に「使いこなしのこと(誰かのシステムを調整するということ)」を書いている。
基本的にはいまもそうである。
なのに昨夜は、それをやってしまった。
四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスピーカーシステムは、
昔渋谷にあったジャズ喫茶・音楽館(その後、店主がかわり@grooveになっている)のスピーカーそのものである。
ウーファーはアルテックの416-8C、中域はアルテックの807-8Aと811Bホーンの組合せ、
ジャズ喫茶のイメージだと、これらのユニットによる2ウェイ・システムということになりそうだが、
高域にグッドマンのドーム型トゥイーターDLM2(片チャンネルあたり二本使用)が足されていた。
ネットワークは800Hzのクロスオーバーで、
DLM2はローカットフィルター内蔵なので807-8Aと並列接続されている。
DLM2は5kHz以上を受け持つ。
おそらくコンデンサーだけの-6dB/oct.のローカットフィルターと思われる。
エンクロージュアは横置き型で、ウーファーの前面にはショートホーンがついていた。
音楽館のときに一度だけ行っている。
そのスピーカーが、いま喫茶茶会記にある。
ただエンクロージュアはかなり古いために傷んでいた。
そのこともあってスピーカーの入れ替えも考えたようだ。
でも、最終的には音楽館のそのスピーカーを受け継いで使いたい、ということで、
エンクロージュアだけを変更することになった。
エンクロージュアをどうするかにあたっては、私の意見が通ったこともあり、
調整をすることにした。
エンクロージュアがかわり、ユニット構成も少しだけ変っている。
DLM2が二発から一発になっている。
そのためトゥイーターのみインピーダンスが16Ωとなっている。
昨夜の調整は、システム全体の調整ではなく、
あくまでもこのスピーカーの調整である。
喫茶茶会記のスピーカーは、だから自作スピーカーということになる。
ウーファーのエンクロージュアの上にホーンとドライバーがのる。
その横にトゥイーターが金属製の脚がつけられて置かれていた。
このふたつのユニットの配置をどうするかを、昨夜はやっていた。
エンクロージュアの上にホーンとドライバーを置く。
そしてその位置をあれこれ変えて音を聴く、
そして置き位置を変えてまた聴く。
ときにはユニットの極性を反転させてみたりしながら、最良と思えるポイントを探っていく。
これは、自作スピーカー、それもホーン型の中高域を使っている人ならば、
誰もがやっていることである。
これをおろそかにするような人は、ホーン型の自作スピーカーには向かない。
昨夜やっていたのは、まさにこれである。
エンクロージュアの位置はまったく動かしていない。
CDプレーヤー、アンプ、ケーブルなどもいじっていない。
上の帯域を受け持つふたつのユニットの調整をやっていた。
レベルコントロールもそのままである。