Date: 10月 15th, 2015
Cate: 世代
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世代とオーディオ(ガウスのこと・その1)

「世代とオーディオ(あるスピーカーの評価をめぐって)」で書いていきたいことを考えていると、
ガウスのことを思いだし、なぜガウスはいつの間にか話題にのぼらなくなり、消えてしまったのか、
その理由を考える。

ガウス(Gauss)はブランド名で、会社名はセテックガウス(Cetec Gauss)だった。
JBLでいくつもの実績を残したバート・ロカンシーが中心となったスピーカーメーカーである。

ガウスの登場は華々しかった。
ウェストレックスのスピーカーシステムに搭載された、ウェストレックスに認められたスピーカーユニットとして、
ガウスの名前は輝いていたといえる。

日本の輸入元はシャープだった。
当時はスピーカーシステムは開発しておらずユニットの輸入からだった。

新しいメーカーとは思えないほど、ラインナップは揃っていた。
フルレンジユニットは2841、2641、5841、1841、
トゥイーターは1502、コンプレッションドライバーはHF4000、
ホーンは4140、4075(どちらもディフレクションホーン)。

ウーファーは充実していた。
2840、5840、5640、5440、5831、5842、5642、5831F、8840、8442、8440、8842があった。

シャープもオプトニカ・ブランドでHF4000用に4110というホーンを作っていた。
この4110を使った3ウェイのスピーカーシステムを最初に出し、ガウス・オプトニカ・ブランドで展開していく。

アメリカではウェストレーク・オーディオがガウスを採用しはじめた。
それまではJBLのユニットを使っていたのがガウスに鞍替えした。
(ただしTM3は最高域だけはJBLの2420を使っていた)

日本では天然チーク材を使ったディフレクションホーンで知られていた赤坂工芸が、
ガウスのユニット搭載の3ウェイのシステムPHG8000を出した。

ガウスに勢いはあった、と感じていた。
個々のユニットの価格も重量もJBLの同口径のユニットよりも高く重かった。

高校生のころ、JBLの4343のユニットをすべてガウスに置き換えたら……、そんなこともけっこう真剣に考えていた。
ただし、ガウスのラインナップには25cm口径のユニットは1841だけで、
このユニットはフルレンジということもあってセンターキャップがアルミ製だったから、
ガウス版4343は難しいところがある。

だから物理的にユニットの置き換えが可能な4350は、どんな音を聴かせてくれるのか、
そんなことを夢想していた。

ガウスの存在は、私をわくわくさせていた。

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