オーディオのロマン(その10)
モノの蒐集にはふたつの楽しみがある、といえる。
ひとつはモノそのものの蒐集であり、もうひとつはそのモノに関する情報の蒐集である。
オーディオも自転車も魅力的なモノであり、
どちらも昔よりも現在の方が、情報蒐集はしやすくなっているし、情報の量も多くなってきている。
欲しいモノ、気になっているモノの情報を集めてくるのは、実に楽しい。
これだけでひとつの趣味といえるほど楽しく感じている人も少なくないだろう。
私も、そのひとりである。
より正確な情報を、しかもあまり知られていない情報を求めようとしているし、
そんな情報が入ってくれば、同好の士に教えたくもなる。
そうすれば、同好の士から情報を得ることもある。
そうやってさまざまな情報をあつめる。
そして試聴(自転車では試乗)する。
これも、ひとつの情報蒐集といえなくもない。
けれど、そうやって得た情報をもとに、
実際に購入するモノ選びにどれだけ役立つか、直結しているのか、といえば、
私の場合は、間接的には役立っているとはいえても、直結しているとはいえないところがある。
デ・ローザのオレンジ色のフレームがそうであったように、
結局のところ、「これだ!」と瞬間的に感じられるかどうかが決め手であり、
他のことは、買うための口実として機能するだけである。
そんな選び方は絶対にしない、という人もいる。
それはそれでいい。
ただ私はそうやって自転車を選んだし、オーディオも選んできている。