オーディオ・システムのデザインの中心(その17)

オーディオがブームだったころ、店頭効果ということがよくいわれていた。
客がスピーカーの試聴にオーディオ店にくる。

当時はブックシェルフ型であれば各社のスピーカーが所狭しと積み上げられていることが多かった。
そして客は、店員にいくつかのスピーカーを聴きたいとリクエストする。
店員は切替えスイッチで、客が希望するスピーカーを次々と鳴らす。

このときスピーカーの音圧が揃うように調整する店員もいたであろうが、
そうでない店員もいた。
そうなると切り替えた時に、前に鳴っていたスピーカーよりもわずかでも音圧が高ければ、
実際のリスニングルームとはかけ離れた試聴条件では、よく聴こえてしまうことがある。

音圧が同じでも地味な音のスピーカーよりも、派手な音のスピーカーのほうが目立つ。
とにかく他社製のスピーカーよりも、自社製のスピーカーを客に強く印象づけるための音づくり、
これを店頭効果と呼んでいた。

いまはそんなものはなくなっていると思うが、
デザインに関しては、どうだろうか、と思っている。

例としてあげたブックシェルフ型スピーカーは、さほど高級(高額)なモノではなかった。
大きさもユニット構成も外観も似ているモノが大半だった。
だからこそ音での店頭効果で目立とうとしていた、といえる。

ここで書こうとしているデザインについては、
そういった普及価格帯のモノではなく、高級(高額)のモノについてであり、
デザインの関係性・関連性と排他性について考えていきたい。

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