Date: 11月 21st, 2014
Cate: 異相の木
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「異相の木」(その11)

カートリッジ専門メーカーであるオルトフォンも、一時期スピーカーを手がけていた。
1970年代なかばごろである。

type 225、type 335、type 445というモデルが輸入されていた。
type 225が2ウェイで48000円,type 335が3ウェイで79000円、
type 445が3ウェイでダブルウーファー仕様で140000円(価格はいずれも一本)。

type 445はフロアー型となっていた。
とはいえ高さ68cmのエンクロージュアだから、
日本の感覚ではブックシェルフに分類されてもおかしくはない。

三機種ともスピーカーユニットはオルトフォン自社製ではなく、
オルトフォンと同じデンマークのスピーカーユニット製造メーカー、Scan Speak製。

オルトフォンのスピーカーシステムは1978年ごろには製造中止になっている。
後継機種も出てこなかった。
type 225はステレオサウンド 36号の特集「スピーカーのすべて」で取り上げられている。

あまり成功しなかったのだろう。
オルトフォンからはアンプも出ていた。
MC20と同時期に登場したヘッドアンプMCA76は、
デンマークの測定器メーカーとして知られるBrüel & Kjærのエンジニアが協力している、と聞いたことがある。
そうかもしれないし違っているかもしれない。

いまも昔もオルトフォンはカートリッジおよびカートリッジ関連以外の製品も作っている。
けれどいまも昔もオルトフォンはカートリッジの専門メーカーである。

だからこそ、もしJBLがカートリッジを手がけていたら……、と想像する時に、
こういうメーカーであるオルトフォンが参考になる気がしている。

それにオルトフォンがハーマン傘下にあった時期、試聴用のスピーカーはJBLの4343であり、
試聴レコードの多くはドイツ・グラモフォンのレコードだったことを、つけ加えておく。

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