私がコントロールアンプに求めるもの(その7)
ブロックダイアグラムを描くということは、レベルダイアグラムをつくることでもある。
フォノイコライザーアンプにはどのくらいの入力信号が入ってくるのか。
MM型カートリッジとMC型カートリッジとでは、ずいぶん違うし、
MC型カートリッジでも、ローインピーダンス型とハイインピーダンス型とでは違う。
アンプ設計の経験をのある方には説明の必要のないことだが、
カートリッジのカタログに載っている出力電圧は、あくまでも1kHzのもの。
レコードには低音のレベルを下げ、高音のレベルは反対に高く刻まれる。
つまり低域の信号は、1kHzの信号に対して20Hzでは1/10までさがるし、
それがピアニシモだと、そのレベルはさらに低くなる。
オルトフォンのようなローインピーダンスのMC型カートリッジだと、ピアニシモの低音の電圧はほんとうに低い。
こんな低い電圧を増幅するんだ、というと感心とともに、ほんとうにきちんと増幅できるだろうかと疑問のわく値だ。
高域は、それもフォルティシモ時の電圧となると、低音のピアニシモに対してひじょうに高い値。
それぞれがどのくらいの値になるのかは、ご自身で計算してみるのがいい。
とにかく微小レベルの信号をフォノイコライザーアンプは、ラインレベルまで増幅する。
当時はまだCDが登場していなかったから、いまと較べるとライン入力感度は高い。
1970年代のコントロールアンプのライン入力の値には、100mV、250mVといった数字が多かった。
ラインアンプのゲインは、たいていは20dB(10倍)のモノが大半だった。
ラインアンプのゲインを仮に20dBとしたら、フォノイコライザーアンプのゲインも自動的に決ってくる。
いまでも大半がそうだが入力セレクターのあとにボリュウムがあり、ラインアンプという構成になっている。
ラインアンプの手前で信号は減衰させられるわけだ。
ここで40dBも絞ったら、ラインアンプへの入力信号は1/100になる。
増幅する前に信号を減衰させて……、というのは不合理にしか思えない。
だからといってラインアンプの出力にボリュウムを設ければ、それで解決でもない。
ならばラインアンプの出力にボリュウムをおいて、
そのあとにゲイン0dBのバッファーをおけば、ということも考えていた。
REPLY))
楽しく拝見させていただいています。
私の経験から・・・
ハイゲインのアンプは、勢いがいいと感じています。
ゲインが無いと音は美しいのですが、優しく輪郭の貧しい音のように感じています。
ゲイン配分を十分に検討してS/Nのいいアンプ構成とするのもいいかもしれませんが、余るほどの信号をATT絞り、少しATT開くと勢いがいい音が飛び出す!魅力的です。
古いトーキアンプを好みます。