ラックのこと(その13)
いまやラックは、家具としてではなく、オーディオ機器のひとつとして存在しているかのようだ。
そしてラックの種類も増えてきた。
面白いアイディアだな、と思えるラックもあれば、まゆつば物だな、としか思えないラックもある。
棚板の素材もいろいろあるし、その形状にも工夫がこらされてきている。
棚板を支える柱に関しても、数の違いがあり、
棚板のどの部分を支えるのか、という違いがある。
いま、ヤマハのGTラックのような開放管の形状のラックはあまりない。
柱と棚板からなるラックが主流である。
ラックの基本的な構造だけを見た場合に、
ほとんど変化はない、ともいえる。
四本柱と棚板というラックでは、棚板とそこに設置されたオーディオ機器の重量は、柱が受けとめている。
柱があり、柱と柱をフレームで結合し、このフレームが棚板を支える構造にしても、そう変ってはいない。
棚板が重量級なのか軽量級なのかも、そう大きな違いとはいえない。
だから、どんなラックが登場してきても、新しいラックとは感じられない。
オーディオでは、いい音が得られることが大事なことだから、
新しいラックでなくとも、結果としてえられる音がよければそれでいいことはわかったうえで、
これからもラックの新製品はけっこう数が登場してくるであろうが、それが新しいラック、
つまりいままでなかった基本構造のラックであることはあまり期待できなそうだ。