Date: 10月 20th, 2014
Cate: ショウ雑感, ジャーナリズム
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2014年ショウ雑感(ショウ関連の記事に望むこと・その2)

以前のオーディオフェアには、プロトタイプが展示されていることがあった。
製品化されるかどうかはわからないけれど、その時点での最新の技術による、独自のモノがあった。

いま、プロトタイプの展示はまずない。
製品化の一歩前の製品が展示されていることはある。
でも、それらは新製品として、いずれオーディオ雑誌の新製品紹介のページに登場してくる。

だから、このブースには、こういうアンプ、スピーカーが展示されていました、と、
写真と簡単な文章が誌面に載っていても、関心をもつ人がそれほどいるとは考えられない。

それにショウ関係の記事は、いまではメインの記事扱いではない。
特にステレオサウンドでは12月発売の号は、毎年恒例のステレオサウンド・グランプリとベストバイであり、
このふたつにページ数の多くは割かれてしまう。
他の記事に割り当てられるページ数は残り僅かである。

ショウに実際に行けば毎年実感するのだが、
くまなく取材していこうとすれば、三日でも足りない。
各ブースでは、スタッフによるデモも行なわれれば、オーディオ評論家によるデモもある。
それらをひとつひとつ取材していくのは、編集部総出で三日間来ても、十分な取材といえるかどうかである。

いまショウ関連の記事を、ベテランの人が書く、ということはまずない。
けれど昔は違っていた。
ステレオサウンド別冊のオーディオフェアのムックの巻頭は、岡先生が書かれていた。
七頁にわたる記事である。

こういう記事を読みたい、と思うが、いまの筆者で書ける人は誰がいるだろうか、と考えると、
私には思い浮ばない。
それに岡先生の記事が、いまの時代、ベストというわけでもない。

いま私がオーディオショウ関連の記事で望むのは、ショウが終った後の取材である。

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