Kathleen Ferrier (22 April 1912 – 8 October 1953)
いつごろからなのか、Kathleen Ferrierをキャスリーン・フェリアと表記するようになったようだ。
私がKathleen Ferrierを聴きはじめたころは、カスリーン・フェリアーだった。
だからいまでもカスリーン・フェリアーと言っている。
初めて聴いたのは、バッハ/ヘンデルのアリア集のCDだった。
入荷したばかりの輸入盤。1985年に買った。
このときのスピーカーはセレッションのSL600だった。
イギリスのスピーカーでよかった、と思っている。
フェリアーの声は柔らかくあたたかく、しっとりしている。
どこにも刺々しさはない。
とりすました表情はどこにもない。
そういう声・表情で歌われたバッハとヘンデルは、心に沁みた。
それまで聴いたどんな音楽よりも、そうだった。
フェリアーの歌が心に沁みてこなくなったら、もう終りだとおもっている。