Mac Peopleの休刊(その7)
五味先生がオーディオマニアの五条件として、
金のない口惜しさを痛感していることを挙げられている。
ハイドンの交響曲第四十九番について書かれている。
こう結ばれている。
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少々、説明が舌たらずだが、音も亦そのようなものではないのか。貧しさを知らぬ人に、貧乏の口惜しさを味わっていない人にどうして、オーディオ愛好家の苦心して出す美などわかるものか。美しい音色が創り出せようか?
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金のない口惜しさは、それまでも何度か痛感している。
それでも、このときほど、痛感したことはなかった。
いままでの痛感は、痛感といえるほどではなかった、と思うほど、
この日、Design Talkを読みながら、金のない口惜しさを痛感していた。
同時に、五味先生が書かれていた「金のない口惜しさを痛感していること」は、
こういうことなのかもしれない、ともおもっていた。
そういえば、あの日も雨が降っていたな、と思い出していた。
名古屋市立大学に行きたい……、けれど無理である。
また遠く感じた日だった。