Date: 9月 23rd, 2010
Cate: 基本
Tags:

「基本」(その7)

オーディオの世界に入ってくるきっかけは、人それぞれだから、
必ずしも「基本」から入ってくるわけではないないだろう。
オーディオに対する関心が強まってきてから、そして向上のために基本・基礎をしっかりさせておくべき必要性から、
「基本」をきちんと学ぶ人も少なくないはずだ。

「基本」をしっかりと身につければ、あとはもう前に進んでいくだけ、であろうか。
前に進んでいくことで、新しい発見があろう。

けれど新しい発見は前に進むことだけにあるものではない。
オーディオとながいことつきあってきた人ほど、身につけたものが多い人ほど、
いまいちど「基本」に立ち返ってみると、以前に学んだときには見つけ出すことのできなかった発見が、
いくつも見つけ出すことができるはずだ。

「基本」はすべての人に共通しているものはあるし、人それぞれの「基本」ある。
私にとっての、人それぞれの「基本」になるのは、やはり五味先生と瀬川先生の文章ということになる。

だからこれまでにも幾度となく、その「基本」に戻る。
そのたびに、かならずなにか新しい発見がある。だから戻っていくのだが。

コリン・ウィルソンの著書に「発端への旅」(原題:VOYAGER TO A BEGINNING)がある。
「発端への旅」、いいタイトルだと、いまごろ思っている。
この本を手にいれたのは20年近く前のことなのに。

「発端への旅」だけがすべてではないし、前に進んでいくことも大事だ。
それに「基本」も、こういった性質のものだけではなく、オーディオを構成する技術の「基本」──、
つまりすべての人に共通する「基本」にも立ち返ってみることも、
新しい発見、あえていえば、新しい再発見のためにも必要なことだと認識しておきたい。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]